11月4日(日) UPAナショナルズ最終日

昨日の夜はみんなで飲んだ。
久々にビールを2杯以上飲んだ。
酔払った。(相変わらず酒には弱い。)
ビーチに繰り出して大声で歌った。
ホットタブでレディースのチームの人と話しかけられ、楽しく話しをした。(ナンパ?)
プールに助走を付けて何度も何度もダイブした。
アホみないに騒いだ。
楽しいひとときだった。
今シーズンが今日で終わりだと思うと寂しかった。
だから、そうでもしなければやってられなかった。

おかげで今日はみんな朝が遅い。
朝8時半からのレディースの決勝を見ようなどという気は毛頭ない。
11時15分からオープンの決勝が始まるというのに、その時間にやっと朝食を食べにレストランに入った。
ウェイターの女のコがかわいいとか足が綺麗だとか言って散々騒いで、結局フィールドについたのは12時を回っていた。

さて、UPA決勝のコンドルズvsジャム戦の解説を書くとしよう。
着いた時点では、7-6でコンドルズリード。
ちなみに天候は晴れだが風がこの週末一番強い。
しかも、コートに対してほぼ縦に吹いているので風上が圧倒的に有利。

着いてすぐにジャムが風上をキープして同点となる。
チームメイトに話しを聞いたら、この時点ではどっちも風下からのブレイクは出来ていないらしい。
そして次のポイントでジャムがブレイクチャンスをつかむ。
コンドルズもそうだが、やっぱり向かい風ではインサイドの使い方がうまい。
これは一つの向かい風の攻め方のカタチなのかな。
なんだかんだで、ゴール前までディスクを運び最後はデイミアンがディフェンスの裏に絶妙のミドルシュートを打って、誰もが初ブレイクだと思った瞬間、な、なんとゴール中での痛恨のキャッチミス。
そのミスを逃さずこのポイントはコンドルズが得点し、結局、お互いブレイクのないまま9-8のコンドルズリードで前半終了。

後半はジャムの風上オフェンスから始まり、オフェンスキープが続く。
その間両チームとも、風下からのディフェンスで何度かターンオーバーを起こすものの得点には繋げることができない。
見ていて風上からのオフェンスは迫力がある。
まず、スタックが縦にすんごい長い。
それでも風上だからロングいつでも打てるので、ディフェンスはミートに完全にヤマを貼ることができない。
そのスタックの一番後ろからオフェンスが猛然とミートしてくる。
ディフェンスもスタックが長いわけだからミートをケアしてはいるが、やはりロングが怖くてほんの少しだけ隙ができる。

その隙はわずか半身。1/4身くらいかもしれない。
でも、それでオフェンスは十分なのだ。
パスが追い風に乗ってビューンと飛んで来る、オフェンスは走る距離が長いから完全にトップスピード。
ディフェンスもトップスピード。そしてダイブ。めいっぱい手と体を伸ばす。
しかし届かない。
オフェンスは一切減速しない。足をディスクに合わせるようなこともない。
そしてどんなディスクでも取る。体の前に鷲づかみにする。
そして何事もなかったかのように、次のパスの相手を探す。
ディフェンスがダイブしている間に次のパスを投げてしまうこともしばしばだ。
プレーがでかい、はやい、そしてミスらない。
うーん、ほんとに迫力抜群。

ミートだけじゃない。
風上からだったら、自陣ゴール前からロングがゴール端いっぱいっぱいに決まる。
ディフェンスも決して甘いわけではない。
ただでさえオフェンス有利なのに風がさらに確固たるものとしている。

風上オフェンスキープの展開は16-15のコンドルズリードまで続く。
ちなみにゲームポイントは17点なので、ここで今まで通りジャムがキープすれば16-16となり、先に2点差つけた方が勝ち&タイムキャップに入るはずだった。
そう、〜すれば、〜するばずだった・・・。
しかし神様はここでコンドルズにドラマチックな結末を用意していたのだ。

去年フュリアスジョージが10-14から15-15(タイムキャップにより決勝点は16点)に追いついてダブルマッチポイントになった末にコンドルズが最後の一点をもぎ取り優勝したように。
おそらく、風上キープでタイプキャップに入り、そのままキープで風上スタートのコンドルズ優勝という試合はUPA決勝としてはふさわしくないと考えたのだろう。

いや神様の仕業とひとことで片付けてしまってはコンドルズに失礼であろう。
この16-15の大事なポイントでジャムのオフェンスは4回もターンオーバーを起こしている。
コンドルズのディフェンスがここに来て集中力発揮したのだろう。
ジャムのミスも簡単なキャッチミスも誘発した。

最後のポイントはコンドルズ自陣ゴール前から中盤まで短くじっくりパスを繋ぎ、そこから向かい風の中、サイドでロングパスを試みる。
が、やはり強い向かい風にあおられディスクが思い通りに飛んでいない。
40度くらいディスクが傾き、ブレードの様になってしまい、ディフェンスにブロックされる。
ディフェンスもいっぱいいっぱいだったのだろう。
キャッチすることができず、ディスクがバウンドする。
このディフェンスに一度さわられてもディスクが死なない程の回転がかかっていたのが勝利の原因だろう。
バウンドしたディスクは同じようなブレードの起動を描きながら、もう一度空に舞い上がる。

そしてそれをキャッチしたのはコンドルズ。
バウンドしたことも幸いしてゴールは目の前。
そしてフォローに走っていた人がそのままゴールに走って、シュートを受け取る。
ディフェンスは浮いたディスクに集中していたためかフリーにしてしまった。
コンドルズ2連覇の達成の瞬間であった。

呆然とするジャムのメンバー。歓喜するコンドルズ。
個人的にはジャムには友達もいるし準決勝で負けた相手だったから、勝って欲しかった。
何よりジャムという名になってからはUPAを優勝したことは一度もない。
(サンフランシスコのチームが優勝したことはある)
勝ったのはコンドルズ。

ここで思ったのはコンドルズの強さ。
去年も予選プールでフュリアスに負けながら、準決勝でそれまで6連覇中だったDOG(ボストン)を破り、決勝でフュリアスに雪辱を果たす。
今年も同じような展開で勝ち進み、決勝はこの激戦をモノにした。
UPA準決勝に勝ち進んだこの4チームは去年と同じ。
他のトーナメントでも勝ったり負けたりしている。
これだけ実力が拮抗している中での2連覇。

点差だけ、戦績だけを見れば次やる時はうちが勝てるかもしれないと思えてくる。
結果はほんのちょっとだけ勝利の女神が微笑むかそっぽを向くかの差だと言う人がいるかもしれない。
しかし、僕はそうは思わない。
ちょっと油断すればベスト8にも入っていないチームに負けてしまうほどレベルが高いUPAで2連覇するのは、幸運だけではできない。
「では、何がコンドルズは他の4チームよりも優れていたのか。」と問われると答えに窮する。

個々の能力ではジャムやフュリアス・ジョージの方が上だろう。
組織力ではボストンだって負けてはいない。
これらのチームに確実に勝る「何か」がないとUPA2連覇はできないのだ。
(だからUPAを1994-1999の間6連覇したボストンは間違いなくグレイテストだが・・・。)
総合力?そんな簡単に一言で表せるものでもない。
コンドルは「何か」を確実に持っている。でも、説明できない。
この見えない「何か」をつかむためにどのチームも5ヶ月間ハードな妥協のない練習をするのだとやっと気づいた。

それが分かっただけでも、日本を発ってこっちに来た意味があったような気がした。
願わくば来年ばその「何か」をフュリアス・ジョージがつかんで欲しいと思う。

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