11月3日(土) UPAナショナルズ三日目

例のごとく朝8時半から第一試合。
相手は初日にフロリダを破り、二日目には敗者復活に望みをかけるボンジ(ポートランド)を破りベスト8入りしてきたニューヨーク。
前半は互角の戦いであったが、後半気合を入れ直したフュリアス・ジョージが連続ブレイクすると一気に流れはうちらに。
結局、15-10で勝利。

そしていよいよ準決勝。
相手は宿敵ジャム(サンフランシスコ)。
このチームとはほとんどすべてのトーナメントで対戦している。
リージョナルでは一点差で敗北を喫したが、今回リベンジを果たそうと皆気合が入っている。

試合は向かい風のディフェンスから始まる。
最初のポイントはあっという間にジャムお得意の素早いパス回しで取られる。
そして2ポイント目はロングをミスったフュリアス・ジョージに対して、そのターンオーバーから向かい風の中、インサイドのパスを有効に使った攻めでジャムがブレイクし2対0。
3ポイント目はまたもやフュリアス・ジョージがスローをミスして(強風にあおられたということもあるが・・・)、ジャムが得点。
この時点で3−0でジャムがリード。

気を取りなおしたフュリアス・ジョージはオフェンスはここからノーブレイクで前半を終える。
しかしジャムのオフェンスも素晴らしく、何度かターンオーバーを起こすものの、結局ブレイクできずに8-5のジャムリードで前半終了。

後半オフェンススタートで始まって8-6と差を詰めるものの、ジャムのオフェンスをブレイクできずに9-6が続く。
この均衡を破ったのがフュリアス・ジョージのブレイク。
はっきり言ってうちのディフェンスライン(日本で言うディフェンスセットのこと)に良いスローワーが少ないので、ターンオーバーを起こしても向かい風でブレイクするのは結構大変なのだが、このポイントはオフェンスラインのプレーヤーが二人(ジャフとマイク:ともにワールドゲームズ代表)が入っていて、彼らの活躍といちかばちかのロングが通り、待望の初ブレイク。

ここで一気に波に乗って、追い風のディフェンスで連続ブレイクといきたかったが、さすがはジャム。
向かい風でもブレイクを許さずにキープする。
相変わらずパス回しが速い。特にインサイドでパスを出してから、次のブレイクフォースのパスが速い。
マークする間も無く、2・3本パスを繋がれてしまう。
11-10まで向かい風の中のオフェンスキープが続く緊迫した展開になるが、ここから、うちらがまたもやブレイクし11-11。

ここからキープが続き結局14-14に。
この時点で先に2点差つけるか17点取った勝ちというポイントキャップに入る。
ジャムがキープし、15-14。
そして、フュリアスジョージも再びキープと思ったら、シュートが風に流されアウト・オブ・バウンズへ。
そしてコンドルズがこのターンオーバーを向かい風の中、フュリアス・ジョージのゴールラインから攻めきり、2時間を超える試合に決着をつけた。
この大事なところでの集中力はさすがという感じであった。
インサイドの使い方とディフェンスがダイブして倒れている間の数秒ちょっとのマーカーがいない隙をうまく使いブレイクフォースのスペースにディスクを展開していた。

フュリアス・ジョージそして石井哲のUPAナショナルズ2001は終了した。
皆、試合後は呆然としていた。泣いている人もいた。
僕も泣いた。
僕の場合、試合に負けた悔しさもあったが、この一年をすべて思い出していろんな思いがこみあげてきた。
知り合いも誰もいない、チームに入れるかどうかも分からない状態で来た僕に親切に接してくれ、友達として迎え入れてくれ、チャンスを与えてくれたチームのみんなに感謝でいっぱいだった。

この日の試合は第一試合は1ポイントしか出られなかった。
第二試合の準決勝のジャム戦は出番が回ってくることは無かった。
だからといって、チームの一員であることに疑いを感じることは一度も無かった。
皆と一緒に声がかれるまで最後のパスを通されるまで勝利を信じて応援していた。
試合終了後、キャプテンが言った。
「今日は素晴らしい試合だった。8人目のプレーヤーの活躍(サイドラインにいる試合に出ていないプレーヤー達のこと)も最高だった。素晴らしいチームだった。また来年の夏頑張ろう。自分自信に小さく叫ぼう。」
円陣を組んでみんなで小さな声でつぶやくように今年最後のチアをした。
「ワン、トゥー、スリー、フュリアス・ジョージ!」

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