3月21日(木)〜23日(日) ドリームカップ

「Club Jr. Ultimate Dream Cup 2003」これは僕にとって忘れられない大会となるのは間違いない。UPAチャンピオンチームが来日し、そのチームの一員として、家族、友人そして日本の多くのプレーヤー達の目前でプレーする。本当に夢のような大会であった。

実は大会前から不安定なイラク情勢により、メンバーの来日が不安視されていた。しかし、「そんなことは関係ない。」と言って、予定通り、全員来日。大会前日には富士市役所で市長を表敬訪問、そして午後にアルティメットクリニック。なんと約70名という参加者が集まった。皆、ひとつひとつの説明を聞く顔が真剣だ。これには忘れかけていた初心を思い起こさせてくれた。

いよいよ始まった大会初日。第一試合は去年全日本選手権3位の強豪クルーズ。試合開始直後、いきなり2点連取され、一気に皆の闘志に火がつく。そこから怒涛の連取を重ね、一気に試合を決める。最終的に、16-5で快勝。とりあえず、第一試合を勝って皆、安堵の表情だ。とにかく大会前から負けられないということはチームの間で言いあっていたが、開会式でのVIP待遇を受けた後は皆、さらに実感したようだ。

2試合目の早稲田大学ソニックスは愛する我が母校。予想外の後輩達の健闘に驚きながらもうれしく感じる。一年前はほんとペーペーのプレーヤーだったのに、こんなにも急に成長するとはね。若いって羨ましい。まだまだ伸びると思うから頑張って欲しいもんだ。みんな結構スピードがあったな。3試合目の東京大学ビッグアップルは28-1と快勝。点差がいくら開いても、一点でも多くプレーしたいというビッグアップルのプレーヤーの意気込みはうれしかった。もちろん、勝ち負けもあるけど、アルティを楽しむってことが一番大事だからね。

二日目第一試合は、文化シヤッターOBが数多く在籍するtifones。文化シヤッター・バズバレッツ在籍時代にお世話になった人達に恩返しをする思いで、一切妥協せずにプレー。二日目になると少し皆の動きもキレが出てきた。第二試合(準々決勝)は、上智大学フリークス。とにかくオフェンスが積極的でロングパスをどんどん撃ってきた。いいねー。こういう若いのって好きだね。パスの精度がもう少し高ければ、もうちょっと点が入っていたかもね。

三日目第一試合(準決勝)はボンバーズ。ここにもかつてのチームメイトが在籍。個人的には一番初めのプレーのディフェンスでカットしたと思ったディスクをブロックしそびれたのが今でも悔しい。あれが一本決まっていたら、その後の試合展開はがらりと変わっていたに違いない。どちらにしてもフュリアス・ジョージの勝利は動かないが。でも、やっぱり今までで一番集中したゲームになった。

そして最後の試合、2003年ドリームカップ決勝戦の相手は予想通り、文化シヤッター・バズバレッツと。このチームはフュリアス・ジョージに入る前にお世話になっていたチーム。その頃から日本では敵無しで現在文句なしの全日本4連覇中。フュリアスのメンバーもこの試合にかける意気込みは今までとは違う。今大会初めて、相手チームのキープレーヤーの名をあげて、気をつけるべき事項を確認する。

そして全日本選手権決勝、UPA決勝よりも多い大観衆の中で、試合開始。ポイントは2点目。ディフェンスセットが相手ディスクを奪い、ロングシュート。この長すぎると思われたシュートをCJがどんぴしゃのタイミングでダイブし、間一髪、ダウンぎりぎりのところでキャッチ。これには1000人を超すと思われる大観衆も驚愕の歓声をあげた。この点でフュリアスが一気に盛り上がる。今大会初めて、「フュリアス!」「ジョージ!」の雄叫びが自然と起こる。

結局、この後、さらに2点追加し、4-0に。そこから、文化シヤッターが踏ん張り、後半中盤まで点を取り合う展開が続く。正直、この時間帯はディフェンスチームは嫌な感じ。結構、文化オフェンスに手堅く点を取られていて、皆かなりフラストレーションが溜まっていた。僕、個人的にもちょっと思うように相手を止めることができずに、イライラが募る。

それでもオフェンスがブレイクされることなく得点を重ねるので、点差が縮まることはない。結局、試合終盤に再び連取に成功したフュリアス・ジョージが17-9で勝利。大きなプレッシャーの中、見事優勝を果たす。点差を見れば快勝だが、一点はみんなかなり集中してやっていた。その一つ一つの積み重ねがこういう結果になっただけだ。僕を含めフュリアスは決勝戦の間、一点たりとも、それどころかワンプレーたりとも、「抜いた」プレーはなかった。

実力的には点差ほどの差はないと思う。点差が開くのは経験の差という感じがする。うまく言えないが、北米の試合では、みんなどんな時も100%でプレーしている。だから、ディフェンスのプレッシャーも凄いし、オフェンスの集中力もとても高い。文化の集中力が低いとは言わないが、この100%同士の戦いをもっと経験する必要な気がする。

何はともあれ、優勝できてうれしい。そして大観衆の前でのプレー。何より、フュリアス・ジョージがかなり質の高いプレーができて、UPAチャンピオンの実力を日本のプレーヤーに見せることができたと思う。目立つプレーもいくつかあった。ただ、目立つプレーはほんの氷山の一角に過ぎなくて、100%でプレーし続けるということとほんの少しのアクシデント・幸運が目立つプレーを引き起こしているのだ。

そして100%プレーするのに大切な要素。それはハートである。気持ちがこもっていなければ、100%でプレーするのは不可能だ。今大会、客観的に見て、自分も含め、フュリアスは肉体的には万全とは言えなかった。でも、ハートは100%だった。僕の好きな気持ちで言えば「熱い」ハートを皆持っていた。特に決勝戦は最高潮だった。

僕が北米でプレーする理由もここにある。ハートのこもったプレーが練習から実感できる。相手も「熱い」から自分も自然と「熱く」なる。そのぶつかり合い。最高に「熱い」戦いだ。理屈抜きで本能的に楽しい、面白い、これはほんと病み付きになる。日本で体験できたのは最高だった。あわよくば、大観衆の人々が少しでもこれを感じてくれていたらと思う。

最後にこの大会の実現に奔走してくださった(株)クラブジュニアのスタッフおよび大会運営スタッフに心から感謝したい。最高の大会だった。本当にありがとう!!

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